【GetReady(ゲットレディ)】ネタバレあらすじ全話！最終回の結末ラストはどうなる？

憤慨する羽場の前に、ジョーカー（藤原竜也さん）が姿を見せました。ジョーカーは患者にエースのオペの条件を提示する交渉人です。交渉が成立するかと思いましたが、そこにエースが現れ「お前に生き延びる価値はあるのか？」とし質問をします。

そのやり取りの様子を、闇医者チームのメンバーである凄腕オペナースのクイーン（松下奈緒さん）と若き万能ハッカーのスペード（日向亘さん）がモニター越しで見守っていました。

闇医者チームの次なる標的となったのは投資家の渋谷（池松壮亮さん）です。渋谷は、突然の余命宣告を受け人生に絶望していました。失意の渋谷に、エースら4人の闇医者チームが下した判断は・・

波佐間の裏の名は”エース”。彼が率いる闇医者チームの交渉人”ジョーカー（藤原竜也さん）”が次のターゲットに見定めたのは、副総理の羽場（伊武雅刀さん）でした。羽場は階段から転落して脳神経が断裂してしまい、緊急搬送された千代田医科大学付属病院では院長の剣持（鹿賀丈史さん）に「もう歩くことは出来ない」と宣告されてしまったのです。病床にあってなお傲慢な羽場の前に仮面をつけたエースとジョーカーが現れました。そしてエースが質問しました。「お前に、生き延びる価値はあるのか＿＿＿？」と。

その結果、羽場との交渉が決裂した時、二人の姿は掻き消えました。そこに残されたのは小さなドローン。
エースたちは遠隔操作でホログラムを投影していたのです。その証拠をもとに、羽場は警視庁・特務捜査課に命じて”闇医者チーム”の捜査を始めました。

その頃、新進気鋭の投資家・渋谷（池松壮亮さん）にも命の危機が訪れていました。これまで多くの人々や54社にも及ぶ企業の運命を捻じ曲げて非道を働いてきた渋谷は突然倒れ、唐突に剣持からあと半年という余命宣告をされてしまいました。呆然自失の状態にあったのです。渋谷は目の前に現れたジョーカーの誘いを聞いて800億円のギャラと引き換えにエースのオペを望みましたが、エース自身に拒絶されてしまいました。そして振り返ったのは、自分が売り飛ばして瓦解させてしまった多くの企業のこと、そして離散した関係者の存在だったのです。

自由の利かない体で彷徨っていた渋谷は自殺を試みましたが失敗し、かつて切り捨てた部下に助けられます。意識を取り戻した時に目の前にはエースとジョーカーがいました。その時に思い出していたのは、渋谷が最初に助けたいと思っていた企業とその技術への熱い思いでした。それこそが渋谷の”夢”だったのです。絶望の淵で、渋谷は初心を思い出しました。

そして自身に残された時間と金を使って、新たに投資できる企業を探し始めました。命がけでモノ作りをする工場に未来を託し、ようやく思いを遂げられるかと思った瞬間、渋谷は意識を失い昏倒しました。そこにクイーンが駆け込み、オペ室に搬送してエースの手術が始まります。「今の彼には生きていて欲しい」というジョーカーの言葉に背中を押されたのでした。そしてエースは「チャンスは一度だけだ」と呟き、オペ室を後にしました。

一か月後、渋谷は生き延びて自分の脚で歩き、過去の償いを始めていました。そうしていくつかの会社が助かり、そこで培われた技術は未来に繋がれたのです。エースは提示した800億円のうち100億円のみ請求し、残りの700億円を渋谷の事業に託したのでした。

彼は「金のない理想など、無意味なんだよ！」と嘯くのですが、そのあまりの非道ぶりに息子の副理事長・康之（三浦貴大さん）によって更迭されてしまったのです。しかし、その時点で坊城自身の身体が癌に侵されており、その余命はもって数か月だと判明しました。そんな坊城の元にジョーカーが交渉に訪れると、坊城は「二億円しか払えない」と言うのです。果たして、坊城は医学界の恥さらしなのか…それともなりふり構わず集めた金で何事かを成したい理想を持っているのか…エースは、その本心に迫ろうとしていました。そしてその言葉に引っかかったエース（妻夫木聡さん）は、果たして坊城の命を救うのでしょう！？

その城和大学の理事長・坊城（柄本明さん）は、その『寄付金2億円の補欠合格』という方法で凄まじい勢いでお金を集めていました。

必死に2億円を工面し、坊城理事長のもとを訪れたジョーカー。優人の補欠合格を勝ち取れるかと思いきや、理事長室へやって来た坊城の息子・康之（三浦貴大さん）に断られてしまいます。裏口入学のことで坊城と康之がもめていると、突然坊城が苦しそうによろめきます。検査の結果、坊城が肝内胆管癌に侵されていることが発覚し、その余命は数か月だと判明しました。

坊城の元を訪れた仮面ドクターズの交渉人・ジョーカーは「その命を救う」と申し出ましたが、坊城は「2億しか払えない」と断言し、断ります。

そんな中、坊城に、裏口入学について報道がされるという報告があります。坊城は辞任を求められ、解任決議により理事長解任が決定します。その日は康之の母の10回忌命日でした。康之はかつて母親が坊城らの誤診で処置が間に合わず、亡くなった時のことを悔い、その頃にも金儲けにしか興味を示していなかった父のことを恨んでいました。

エース（妻夫木聡さん）は、金にこだわりを見せていることが気になり坊城のもとを訪れます。坊城に「お前に生きる意味があるのか？」と質問するエース。「金のない理想など無意味なんだよ」と答えた坊城の言葉に、エースは何らかの思いを感じ取っていました。

坊城は、集めた金を惜しげもなくつぎ込んで、理想の病院を作ろうとしていました。しかも医療過疎のへき地にです。「日本の医療格差をなくし、医療の常識を変えていきたい」というのが、坊城の願いでした。彼は、ボロボロの身体を抱えて、医療関係者の元を訪れて力を貸して欲しいと懇願していました。

力尽きるかと思ったとき、仮面ドクターズは坊城に手を差し伸べました。坊城自身の「最後の講義」を配信し、大学関係者と康之に伝えたのです。凄まじい数の医療関係者が、その言葉を聞いていました。
医者として”やり残したこと”をやらなければと考えていたこと。地方に一つでも多くの優秀な病院を作り、一人でも多くの優秀な医者を育てて、医療格差をなくすこと…それこそが多額の寄付金を集めていた理由であり、坊城の理想でした。その言葉は2万人を超える人々にライブ配信されていました。

働きづめで家族に苦労させたという自責の念も吐露し、自分の誤診により妻を亡くしたことも話します。「過ちに気付けば、人はやり直せる」その言葉と思いは康之にも届きます。長年にわたって頑なになっていった父と子の心が、ようやくつながった瞬間でした。

「過ちに気づけば、人は皆やりなおせる」という言葉に、エースの心は決まりました。康之の「まだ父の言葉を聞いていたい、父の命を救って欲しい」という言葉により緊急手術が執り行われ、転移したガンを駆逐する処置が施されました。それはIPS細胞を駆使した非合法の術式です。心停止を経て蘇生し、坊城は生還しました。康之は手術の対価として、仮面ドクターズに10億円を支払いました。

手術を終えた坊城は、エースに「君は間違っている、君なら表の世界でもっと多くの人を救える」と言いました。実は、エースはかつて坊城のもとで学び、彼の推薦でスタンフォード大学に留学した過去があり、その恩義をこんな形で返したのでした。

ジョーカーは、裏口入学こそ果たせませんでしたが、不器用な一人の父親として優人と二人で穏やかな時間を過ごすことができました。

刺された男は千代田医科大附属病院に運び込まれていましたが、染谷医師（一ノ瀬颯さん）らは、その事件の裏側に闇医者チームが関わっていることに気づいていました。安達は、次のターゲットをつけ狙っていますした。決意を固めたその目は涙で潤み、真っ赤です。闇医者チームは狙われている男たちを追っていました。彼らを探っていけば、必ず安達が見つかるだろうと踏んでいたのです。

安達はエースの患者でした。3000万円と引き換えに治療を願い、あと半年生き延びることを望んだのです。
二人目の男が刺され、エースらは処置を行います。一人目と二人目の被害者の情報から、数年前に起きた女子高生殺人事件が浮かび上がりました。安達は、三人の少年に暴行された挙句に生き埋めにされたという無残な事件の被害者少女の父親でした。少年事件だったことで刑期が短く、既に犯人二人が社会復帰し、残りの一人が出所したタイミングで復讐を始めていたのです。安達は脊髄に腫瘍ができて余命わずかであり、もし今警察に捕まったら刑務所の中で野垂れ死にすることは想像に難くありません。

エースは、そのオペを引き受けましたが、その予定日に安達が狙っていた三人目、恩田（西山潤さん）が仮出所してきて、安達は姿をくらましてしまったのです。ジョーカー（藤原竜也さん）は警察の介入で闇医者チームが危険に曝されることを危惧して、安達の捜索と手術の中止を進言しました。しかしエースは聞き入れません。三人目の犯人・恩田が潜伏していた自宅から逃走し、安達が迫っていることを察知したエースたちは後を追いました。しかし、安達は返り討ちに遭い、恩田に刺されてしまいます。そんな瀕死の状態で、安達も恩田の首を切り、復讐を果たしたのです。

倒れた恩田を発見したエースは、その場で処置を始めましたが、その場に安達がナイフを持って現れました。彼は、娘が殺されてからずっと、復讐を遂げることだけを考えていたと語りました。エースは「復讐があんたの生きる目的でも否定はしない。だが、娘は父親が殺人者になることを望んでいたか？」と問いました。ナイフを取り落として崩れた安達。「今度はあんたの番だ」と言ったエースは、警察の手から安達を守り、迎えに来たジョーカーの車で現場から去りました。「手術はもう必要ない、助からなくていい」という安達でしたが、闇医者チームは彼の傷と、そして脊髄の腫瘍を取り除く手術を執り行ったのです。

安達は、夢の中で娘と再会します。ようやく、思いが叶ったのです。「おかえり、お父さん」と言って笑う娘に導かれるように意識を取り戻した安達は、警察に出頭し、罪を償うことを決めました。そんな彼に、ジョーカーは「また、元気な姿を見せてください」と言って送り出しました。

闇医者チームに助けられた被害者＝少女殺人事件の犯人たちは、SNSで誹謗されていることに反発していましたが、エースは彼らに「お前たちの大動脈を縫った糸の寿命は一年だ。じっくりと死の恐怖を味わうと良い。お大事に」と告げました。それが本当になるかは、誰にもわかりません。

ジョーカー（藤原竜也さん）は洋子に交渉を持ち掛けて6億円という治療費で摘出手術を請け負いました。しかし、エース（妻夫木聡さん）は洋子のカルテを見て、あることに気づいていました。洋子の彫刻家としての才能が開花したのは5年前のこと。それは彼女の脳腫瘍が原因となって後天的に発症したサヴァン症候群の影響だったのです。その時期から脳腫瘍は洋子を蝕んでいました。

エースは「脳腫瘍を取ることは可能だが、それによって、洋子の彫刻家としての突出した技術と才能は失われてしまう」と告げました。「命か、才能か、あんたの生きる価値を選んでくれ」その言葉に洋子は”才能”を選び、手術を諦めたのです。

才能のない人生は耐えられない、と葉子はジョーカーに言いました。「作れなくなるのが怖い」という洋子を懸命に説得するジョーカーでしたが、彼女は才能を失った自分に価値を見出せないのです。苦労していた時代を共にしてきた恋人の倉木（青柳翔さん）も、才能を亡くしたら去ってしまうのかもしれない、と洋子は危惧していました。その裏で、警察も捜査を進めていましたが、どうしても仮面ドクターズの正体には辿り着けないままでした。

クイーン（松下奈緒さん）は、スペード（日向亘さん）に、ジュエリーデザイナーだった過去を語りました。彼女は人造ダイヤの研究をしていたことで何者かに命を狙われて、エースの手によって顔を変えたというのです。そんなクイーンに技術を仕込み、優秀なオペナースとして育ててパートナーにしたのもエースでした。

クイーンは洋子に共感する気持ちを抱えていました。倒れた洋子を助けたクイーンに、洋子は本音を吐露しました。「命か、才能か、なんでそんなこと選ばせるのよ？」と。クイーンは「結局、自分のことは自分で決めるしかない」と諭しました。クイーン自身は、生きるために”人生の全て”だと思っていたものを手放したのだと言います。天然ダイヤの市場を揺るがすほどの人造ダイヤの研究を裏社会から狙われ、顔も、名前も捨てて、クイーンはただ生きることを選んだのです。

「何が正解だったかはわからないけれど、選んだのは私。もしこの先後悔することがあっても、納得は出来る。今、ここにいるのは、自分で決めたことだから」洋子は「今のあなたは、しあわせ？」と苦しい息を絞り出すように問いました。「全部なくしたけど、悪くないと思ってる」そう答えたクイーンの言葉に、洋子は思いを吐き出しました。

「私は、彫刻が好き。たとえ病気の影響だったとしても…生きがいだった。生きるためにそれを失うくらいなら…」＿＿＿その言葉を聞いた倉木は「生きてくれ！」と叫びました。そして手術を受けることを願ったのです。倒れた洋子に最後の意志を確認したエースの耳に「生きたい」というかすかな声が届き、洋子はオペ室に運び込まれました。

手術は成功し、洋子の意識が戻りました。倉木は心から安堵し洋子を迎え入れましたが、洋子は心を閉ざし、どんどん卑屈になって倉木を遠ざけます。

その一月後、洋子のもとを訪れたエースの前で、洋子は車椅子に座って、彫刻と向き合っていました。洋子が望んだのは、才能そのままに生きたいということ。エースは、腫瘍の全てを切除していたわけではありません。一時的に症状を抑える部分のみを取り、才能を支える部分を温存したのです。そんなエースに、洋子は感謝を伝えました。そして、わざと倉木を遠ざけたのだとも。

「こんなわがままに、彼を突き合わせるわけにはいかない。私が最後にできるのは…あんなことくらいしか」そう言った洋子は、満足そうにノミをふるっていました。今の洋子は好きなことをするためだけに、生きていたのです。そうして制作された洋子の作品と、満足げに微笑む写真は永遠に残されました。

”第30回 フィレンツェ・トリエンナーレ金狼賞 受賞”と銘打たれたその作品のタイトルは『死を見つめる獣』＿＿＿倉木は遺作となったそれを見て「やっぱり、君は凄いなぁ」と白い花を捧げました。

そのころエースは街中で知らない女性に声を掛けられました。挙動がおかしいその渚という女性は、夫の健二に付き添われて離れていきましたが、その二人は、ジョーカーが見つけてきたクライアント候補だったのです。圧倒的に資産が少ないためにクイーンらは反対しますが、エースは取引を進めて欲しいと言いました。

渚と健二の住まいは部屋中に注意書きが貼られていました。渚は若年性アルツハイマーだったのです。そして健二もまた健康に不安を持っています。エースは健二が急性壊死性膵炎という病気だと気づいていました。それはかつてジョーカーが生死の境をさまよった病気だったのです。ジョーカーは、エースの最初の患者でした。

腕利きの弁護士として活躍していたジョーカーは家庭も仕事も順風満帆でまさに絶頂とも言うべき時期に、体調が悪化して余命一か月と宣告されてしまったのです。誰にも言えず悩んでいた時に、たまたまバーで出会ったのがエースでした。生気がなく、まるで死神のように見えたエースに、ジョーカーは苦しい思いを吐き出したのです。

初見で、エースはジョーカーの症状をぴたりと言い当てました。そして「酒はもうやめた方が良い」と言って立ち去ったのです。その後をジョーカーは懸命に追いました。「あんた、医者なんだろ？金ならいくらでも出すから診てくれないか」と懇願するジョーカー。そのとき、かつてジョーカーに陥れられた人物の母親がジョーカーを刺しました。彼は、これまでになりふり構わない仕事で多くの人の恨みを買っていたのです。こんなことで死んでしまうのは悔しい、と薄れゆく意識の中で呟いたジョーカーを、エースは救いました。彼もまた医者であることを諦めようとしていたのです。しかし、目の前で死にかけていたジョーカーを見殺しにはできませんでした。

働きながら渚を世話する健二は追い詰められていました。次第に物事を忘れ、理解できなくなって怯える渚を閉じ込めておくこともできません。彼はジョーカーに「助けてください」と懇願しました。しかし、渚の若年性アルツハイマーは仮面ドクターズにも手に負えない病気でした。ジョーカーは「私たちなら健二さんを救うことができます」と言いましたが、健二はそれを拒みました。「生きていても仕方ないので…」
そう言う健二に、渚は取り乱して泣き崩れました。健二もまた、渚の状態に絶望していたのです。

「いつも一緒だったのに、あんなに楽しそうにしていたのに、こんなの、もう、耐えられない…だから、助けてもらう意味がないです」そう嘆く健二の前にエースが現れました。「あんたがいなくなったら、奥さんが絶望の淵に立たされることになるが、それでも良いか？俺たちは、生きようとする人間にしか執刀しない」「生きてください、奥さんと一緒に、生き抜いてください」とジョーカーは後押しをしました。
すると、渚を抱きしめた健二はエースに言いました。「お願いします…助けてください！」

健二のオペは、ジョーカーの時のことを思い起こさせるものでしたが、今はクイーンという力強いパートナーがいます。エースは手早く壊死した病巣を切除していきました。「もう少しだ、生きろ…！」エースの言葉に呼応するように、健二がその鼓動を刻みます。彼は無事に生還を果たしました。

渚の前に戻ってきた健二でしたが、渚は彼に気づかず通り過ぎてしまいました。それでも、彼女が転んだところに健二は駆け付けます。渚の手には、いつもお守りのように健二が塗ってくれたハンドクリームがありました。それを見た健二は、泣き笑いのような表情を浮かべます。

ジョーカーが手術後に目覚めたとき、彼はエースに「これを仕事にしないか？」と声を掛けました。「絶望の淵にいる人を救いたい。それが俺の生きる意味だ。それに、あんた、今良い顔してる！」と。ジョーカーは思いがけず永らえた人生を、そうやって生きていこうと決めたのです。彼は莫大な私財を投じて拠点と資材を取り揃え、エースを迎え入れました。敏腕国際弁護士のジョーカーの手によって、エースの新たな身分も整えられたのです。「もう後戻りはできないぞ」とエースは言いました。そうして、二人はビジネスパートナーになったのです。

ジョーカーが次に選んだ患者は菓子職人の嶋崎です。苦労を重ねて多くの洋菓子店の経営している成功者でしたが、その余命は三か月。そして彼は水面の父親でもありました。エースはクイーンに、水面に関するある調査を依頼しました。

事故の後遺症と病気のせいで身体の自由がきかない嶋崎は、そのいらだちを一人娘で唯一の家族の水面にぶつけていました。罵声を浴びせ、暴力をふるっていたのです。クイーンは水面に接触し、その事実を確認しました。すると、水面は「奨学金で地方の大学に進学すれば、もう接触しなくてすむ」とあきらめたように言いました。そして「今の父は嫌い」だとも。

昔の父、嶋崎は美味しいケーキを作ってくれて、優しかったのだと、クイーンに思い出を語りました。彼は、事故で利き手が使えなくなって以来、人が変わってしまったのです。水面がエースのケーキを買っていったのは、そんな父に昔のように戻って欲しかったからでした。「許せないというよりも、哀しい、でも、もう無理…あんな人…早く死んでほしい」＿＿＿水面は思いつめた顔でそう言いました。

クイーンはジョーカーに「調査不足！」と迫りましたが、エースは嶋崎の手術をいったん請け負うと決めたからには交渉を進めるように、とジョーカーに言ったのです。

糖尿病性ケトアシドーシスというその病気で、嶋崎は深刻な状態にありました。有効な治療方法もなく、嶋崎は自暴自棄になっています。クイーンは水面が置かれている状況を思いやり、心配していました。そして、エースもまた水面の顔に残された新しい傷を見て、複雑な気持ちを抱えていたのです。

そんなある夜、嶋崎が昏倒して千代田医大に搬送されました。応急処置を受けて一旦は症状が落ち着いたものの、根治はできないと改めて宣告されてしまいます。そんな嶋崎の前にジョーカーが現れました。残酷な現実を突きつけ、そして”通常ではない医療を提供する”と申し出ました。他の病院をいくら回ってもその解決方法はないのだ、とも。そしてエースは水面の前に仮面をつけて現れ「お前の父親は間もなく死ぬ」と告げました。「救うかどうかは、お前が決めるんだ」と＿＿＿エースは、その選択と決定の権利を、水面に委ねたのです。

嶋崎は「水面が、私無しで生きていけるわけがない」と言いましたが、ジョーカーは「あんたそれ、本気で言ってるのか？」とあざ笑いました。水面は「ざまぁみろ、って感じ。私に八つ当たりしてきて、暴力ばかりふるって、それでも、優しかったあの頃に戻って欲しかった…でも、無理。私の父はもういません。このままで、良い」と言ったのです。その残酷な声は、ジョーカーを通して嶋崎の耳にも届いていました。「残りの時間、あの子のために生きたらどうだ？」と言い残し、ジョーカーは嶋崎の部屋を去りました。そしてエースもまた「間もなく、君は苦しみから解放される」と水面に告げ、彼女の前から姿を消したのです。

島崎は病室を抜け出し、自分の店に向かいました。厨房で、不自由な手で懸命にケーキを作って水面に届けたのです。そこには水面にこれまでのことを詫びる手紙も残されていました。彼女の脳裏に浮かんだのは、優しかった頃の父親の笑顔と、美味しかったケーキの味でした。手紙に込められた嶋崎の言葉に涙をこぼした水面は、カーサブランシェに向かいました。エースに迎え入れられて、水面は「私、取り返しのつかないことを、酷いことをしちゃった…」と吐露します。

「お父さんを助ける方法を知っているのに、暴力をふるうお父さんが許せなくて、自分が楽になるために、苦しんでるお父さんを助けられたのに、自分も苦しくて…」とエースに言ったのです。そんな彼女に、エースは「大丈夫、きっと、大丈夫」と言って、静かに隣に座っていました。この時の水面は、父を助けたいと願っていました。その言葉を聞き届けたエース。そしてジョーカーは「死をもって娘に償いたい」と言った嶋崎を叱咤し、生きることこそが償いだと諭したのです。

オペが始まり、エースは臨床で一度も試されていない治療法を用いて嶋崎の病巣に挑みました。「今度あの子の笑顔を奪ったら許さない。生きて、罪を償え」と、エースはまだ意識が戻らない嶋崎の耳元に囁いたのです。

そうしてベッドの上で目覚めた嶋崎のもとに、水面がやってきました。「本当に済まなかった…」そう詫びる嶋崎の右手は自由に動いていました。それもまたエースの起こした奇跡だったのです。その手を、水面の両手が包み込みました。二人の気持ちがようやく通じた瞬間でした。

その頃、警察が入手した資料の中に”天野真一”という医師の経歴がありました。その書類に添付された写真は＿＿＿エースのものだったのです。

遙は学園理事長の娘・里佳からいじめを受けていたと手紙を残していました。夏美はこの手紙で理事長に手術費を出させようとします。その話を聞いたエースは、自分で死を選んだ人間は手術しないと言います。スペードは抗議しました。
高校の入学式の日。スペードこと白瀬は遙よりも年上でした。留年した白瀬は遥と同級生になったのです。友人関係を築いていく白瀬と遙、夏美の3人。その後、白瀬は高校を辞めました。
ジョーカーに手術を断られた夏美は、白瀬に相談しました。白瀬がいじめの証拠をさがしていると、夏美もいじめにあっていることを知ります。夏美に連絡すると、その映像がいじめの証拠になるのではと夏美は言いました。
スペードはジョーカーと一緒に理事長に会いに行きます。遙の手紙と、いじめの映像を理事長に見せて手術費を出すよう、交渉します。理事長は娘の里佳を呼び出し、話を聞くことにしました。飛び降りるとは思ってなかったと言う娘に、理事長は手術費を出す決心をします。
遙が入院している病院に、白瀬がお見舞いに行くと里佳を見つけます。どんなつもりで来たんだと里佳を追いかけていきました。そこに夏美も合流したころ、エースがやってきました。
エースは飛び降りの真相を追及していきます。遙の手紙を書いたのは里佳でした。里佳は遙をいじめてなんかいないと夏美は証言します。いじめていたのは担任の林だと話します。林の初めのターゲットは夏美でした。しかし夏美が学校に行かなくなると遙がターゲットになったのだと続けます。何度も日誌をやり直しさせられ、いじめは陰湿でした。少しでも逆らうと、カンニングをしたと濡れ衣を着せられました。暴力行為でないいじめは証明できません。さらに林と理事長は不倫関係にありました。だから理事長に手術費を出させようとしていたのです。
遙を救ったとして生きられるのかと問うエースに、スペードは「こんなバカなことをする仲間がいるんだ。俺が守るから」と手術をお願いしました。
意識を取り戻すよう脳内の手術をし、次に自分の足で歩けるようになるような手術をします。エースは患者がちゃんと生き直せるように手術したのです。
無事に手術が終わり、遙が意識を取り戻すと、夏美と里佳がいました。意識を取り戻した遙を見て、夏美と里佳は泣きました。
松葉杖で登校した遙は、林をカッターナイフで刺しました。
遙を助けたかったと嘆くスペードに、エースは「それはこれからもできる。ちゃんと生きられると言ったのはお前だろう。」と言いました。

千代田医大で、天野はドナーを待つ少女・青葉の担当医になります。天野は青葉に絶対に病気を治すと約束しました。ドナーが見つかれば治せると天野は自信をもって青葉の母に約束します。

そんな時、真田のいる大和医大から、千代田医大へ堂前が転院してきました。堂前はずっとドナーを待っていましたが、なかなか順番が回ってこず千代田医大へと転院したのです。

堂前のドナーが見つかりますが、順番は青葉が先でした。しかし、剣持は順番を逆にします。そのことを知らない天野は堂前の手術を成功させました。

しばらくして、警察が天野に話を聞きたいとやってきます。移植あっせん組合によって、不正行為があったと知らされます。天野はこの件について心当たりがないかと警察に詰め寄られました。恩師の真田に不審な金銭授受があったことや、手術直前に真田の助手だった天野のいる病院への転院があったのも不審な行動だと次々と証拠をあげられてしまいます。天野は無関係だと言いますが、剣持は天野を追放しました。

青葉の母が天野の前に現れます。そして青葉が亡くなったと聞かされました。天野は青葉の母に「先生が命に優先順位をつけたのであれば、娘に生きる価値はなかったのか」と問われました。

真田は学会で「天野がそんなことをするわけがない」と力説しますが、誰も聞く耳をもちません。その後真田は学会を追われて、剣持は学会の理事長におさまりました。

天野がバイクの運転中に交通事故にあいます。真田が手術をし、成功しました。真田は天野に「君は、私の未来だ」と言いました。そして無実を証明できないまま、真田は亡くなってしまいます。

過去を聞いたジョーカーは、他のメンバーに話してもいいか確認します。エースは「好きにしろ」と言いました。

副総監の高城は下山田譲がジョーカーなのではないかと推察し、下山田の仕事場へ現れます。仮面ドクターズの交渉人・ジョーカーではないかと直接聞きにやってきたのです。事前にスペードが警察の動きに気づいたおかげで、やり過ごすことができました。しかし疑いが晴れないと思ったジョーカーは当分の間、エースたちと別行動をとることにします。

剣持は玲於奈の手術をどうにかできないかと知り合いに掛け合いますが、手術はできないとの返答ばかりでした。そこにエースが現れます。エースは娘の命と引き換えに、全財産と学会で剣持の過去の罪を告白しろと言いました。

そんな時、玲於奈の容態が悪化します。苦しむ玲於奈を見た剣持は、自分がどうするべきか苦悩します。そこに、破門した染谷がやってきました。剣持は仮面ドクターズに手術を依頼しようと決意したのです。染谷は病室から玲於奈を連れ出しホテルのスイートルームにやってきました。

学会当日。エースが見守る中、剣持は自分の過去の罪をすべて告白しました。約束通り、仮面ドクターズは手術の準備に移ります。ホテルから玲於奈を運び出し、手術を成功させました。

1人で結衣の家に向かうエースをスペードが追いかけてきました。2人は結衣の家に行き、結衣と対面します。そこでエースは結衣に、このままだともうすぐ死んでしまうけど手術すれば治ると言いました。本当に？と聞き返す結衣の姿を見て、昔救えなかった少女・青葉の姿を重ねてしまいエースは上手く答えることができず、手の震えが止まりません。エースはその後何も言えないまま、結衣の元から去りました。

青葉を救えなかったことを後悔し、トラウマになってしまっているエース。このままでは手術できないのではないかとスペードは依頼を断ることも提案します。しかしエースは絶対に受けると言いました。

結衣に仮面ドクターズが近づいているのではないかと推察した警察は、結衣を見張っていました。この状況では連れ出すことができないと、エースたちは作戦を立てます。タクシーの車両で結衣を連れ出すことに成功しますが、クイーンはエースを車に乗せず後から合流するよう言いました。

ジョーカーは、任意同行をかけられ取り調べられることになりました。なかなか仮面ドクターズのことを話そうとしないジョーカーに高城が取り調べを行います。高城は仮面ドクターズが心臓の疾患をかかえた少女の命を救おうとしていること、その少女と同じ病気で自身の妹が亡くなったことをジョーカーに話しました。あの時、君たちがいればと言う高城に、ジョーカーは取引をもちかけます。

歩いてアジトに戻るエースに、声をかけた女性がいました。それは青葉の母でした。ニュースを見たと言い、青葉の死後にエースを責めたことを謝ります。そして、青葉は間違っていなかった、これからも先生には沢山の命を救ってほしいと言いました。エースは結衣が待つ手術室へ向かいます。 

仮面ドクターズのアジトがわかり、捜査員が向かいます。しかし、そこはアジトではありませんでした。これは、ジョーカーと高城の取引によるものだったのです。日本の利益となる人物をオペすることで他のメンバーの罪をなかったものにするというものでした。ジョーカーは国を相手に交渉したのです。

結衣の手術は、途中で心肺停止になるアクシデントがありましたが、なんとか成功しました。

高城は「捜査には結末が必要だ」とジョーカーを逮捕します。 

エースはチームを解散すると言いました。それぞれの道を進むことになります。

エースが1人で歩いていると怪しい男たちに囲まれ、大使館に連れてこられます。そこでジョーカーからの手紙を受け取りました。手紙には警察との取引のことと「仲間のためにも依頼を引き受けてくれ」と書かれてあり、エースは手術に入りました。

一年後。エースはジョーカーと初めて会ったBARにいました。そこに出所したジョーカーがやってきます。エースはこの一年、進むべき道を探していました。

これからどうしたいかと聞くジョーカーに、エースは「この手が動く限り命を救い続けたい。それが俺の生きる価値だ」と言いました。そこに、クイーンとスペードが現れます。4人はまたチームを組むことになりました。